縮毛矯正は「クセを伸ばすこと」が目的ではありません。髪を守りながら、美しさを育てるための技術です。
「縮毛矯正をすると髪が傷む。」
そんなイメージを持っている方は少なくありません。
実際に、
「昔かけたら髪が硬くなった。」
「毛先が不自然に真っすぐになってしまった。」
「何度も繰り返していたら、髪が細くなった気がする。」
そんな経験をされた方もいらっしゃると思います。
だからこそ私は、縮毛矯正を「クセを伸ばす技術」とは考えていません。
私が目指しているのは、
髪をできるだけ守りながら、本来の美しさを引き出す縮毛矯正です。
40代になると、クセが強くなったように感じる理由
「若い頃は気にならなかったのに、最近クセが強くなってきた。」
このようなお悩みを、とても多くいただきます。
実は、必ずしもクセそのものが急に強くなったとは限りません。
年齢を重ねることで、
髪が細くなる。
乾燥しやすくなる。
ハリやコシが少なくなる。
内部の水分バランスが変わる。
これらが重なることで、髪は以前よりもまとまりにくくなります。
そこへカラーや紫外線、毎日のドライヤーやアイロンなどの積み重ねが加わると、さらに扱いづらさが増していきます。
つまり、多くの大人世代の髪は、
クセだけが原因ではなく、「髪の体力」が変化している状態なのです。
縮毛矯正は「薬の強さ」で決まるものではありません。
縮毛矯正というと、
「強い薬でクセを伸ばす。」
そんなイメージを持たれることがあります。
しかし実際には、それほど単純ではありません。
もし薬が強いほど良いのであれば、誰が施術しても同じ仕上がりになるはずです。
でも現実は違います。
同じ髪でも、
自然に柔らかく仕上がることもあれば、
硬くなってしまうこともある。
ツヤが出ることもあれば、
パサついてしまうこともある。
その違いを生むのは、
薬の強さではなく、薬がどのように働いたか。
私はそう考えています。
髪は、反応させればいいわけではありません。
縮毛矯正では、髪の形を変えるために薬剤を使います。
もちろん、その反応は必要です。
しかし、
反応が大きければ良い。
強く反応させればきれいになる。
そういうものではありません。
髪は、必要以上に反応すればするほど負担が大きくなります。
だから私は、
「どれだけ強く反応させるか」ではなく、「どれだけ少ない反応で理想の形にできるか」
を大切にしています。
必要なところだけ。
必要な分だけ。
それ以上は反応させない。
この考え方が、髪の未来を守ることにつながると考えています。
私が大切にしている「反応場を整える」という考え方
同じ薬を使っても、
きれいに仕上がることもあれば、
ムラになることもあります。
その違いは、薬ではなく髪の状態にあることが少なくありません。
乾燥している部分。
ダメージがある部分。
薬が入りやすい部分。
入りにくい部分。
一本の髪の中にも、実はさまざまな状態が存在しています。
そのまま薬をつければ、
反応する場所と、反応しにくい場所が生まれます。
結果として、
伸びる場所。
伸びない場所。
硬くなる場所。
柔らかく残る場所。
そんなムラにつながってしまいます。
だから私は、まず薬を強くすることは考えません。
最初に考えるのは、
髪全体ができるだけ均一に反応できる環境を整えること。
これを私は、
「反応する場を整える」
という考え方で施術しています。
髪が無理なく反応できる状態をつくることで、必要以上に強い薬に頼らなくても、美しい仕上がりに近づけると考えています。
一人ひとり、髪の履歴は違います。
縮毛矯正をする髪は、決して同じではありません。
初めて縮毛矯正をする髪。
何度も縮毛矯正を繰り返した髪。
カラーをしている髪。
ブリーチの履歴がある髪。
エイジングによって変化してきた髪。
さらに一本の髪の中でも、
根元は健康毛。
中間はカラー履歴。
毛先は縮毛矯正とカラーを繰り返している。
そんなことも珍しくありません。
だから私は、
「この薬なら大丈夫。」
とは考えません。
大切なのは、
その髪に、今、本当に必要な反応はどれくらいなのか。
そこを見極めることです。
縮毛矯正は「伸ばす技術」から「育てる技術」へ
昔の縮毛矯正は、
とにかく真っすぐにすることが目的でした。
クセが伸びれば成功。
そんな時代もありました。
でも私は、それだけでは足りないと思っています。
今日クセが伸びること。
半年後も扱いやすいこと。
一年後もカラーやパーマを楽しめる髪であること。
さらに、その先も美しい髪を育てていけること。
そこまで考えて初めて、本当に価値のある縮毛矯正になると考えています。
だから私は、
強い薬で無理に伸ばすのではなく、
髪の状態を見極め、
反応場を整え、
必要最低限の反応で形を整える。
その積み重ねが、大人世代の髪を未来まで守る縮毛矯正につながると信じています
縮毛矯正は「強い薬」ではなく、「設計」で決まります。
縮毛矯正は強い薬でクセを伸ばす技術ではなく、髪を守りながら未来の美しさを育てる技術だという考え方をお伝えしました。
では実際に、私はどのような考え方で薬剤を選び、施術を組み立てているのでしょうか。
ここで少しだけ、美容師が普段考えていることを、できるだけ分かりやすくお話ししたいと思います。
縮毛矯正は「一つの薬」で完成する技術ではありません。
一般的には、
「クセが強いから強い薬。」
「ダメージがあるから弱い薬。」
というイメージを持たれることがあります。
もちろん、それも一つの考え方です。
しかし私は、それだけでは髪に合わせきれないと思っています。
なぜなら、髪はそれほど単純ではないからです。
例えば同じ40代でも、
カラーを続けている方。
白髪染めをしている方。
毎日アイロンを使う方。
何年も縮毛矯正を続けている方。
何もしていない健康毛。
すべて髪の状態は違います。
さらに一本の髪の中でも、
根元と毛先では体力がまったく違います。
その違いを無視して、対応することは難しいと考えています。
私が大切にしているのは「設計」という考え方です。
料理で例えるなら、
食材は同じでも、
火加減や時間、調味料の量で仕上がりは大きく変わります。
縮毛矯正も同じです。
薬剤だけで結果が決まるわけではありません。
私は施術を組み立てるとき、
薬剤だけではなく、
髪の状態。
薬のなじみ方。
反応するスピード。
水分のバランス。
乾燥しやすい場所。
ダメージの履歴。
そうした多くの要素を考えながら、一人ひとりに合わせて設計しています。
つまり、
「どんな薬を使うか」より、「どう設計するか」。
そこが仕上がりを大きく左右すると考えています。
強い薬より、反応しやすい環境を整える。
それは、
髪が無理なく反応できる環境になっているか。
ということです。
乾燥している髪。
薬剤が入りやすい場所。
入りにくい場所。
表面だけ傷んでいる髪。
内部まで体力が落ちている髪。
これらが混ざった状態では、
どんなに良い薬でも均一には働いてくれません。
だから私は、
まず髪全体の反応条件を整えることを大切にしています。
反応しやすい環境が整えば、
必要以上に強い薬に頼らなくても、きれいに形を変えられることが多いからです。
前処理・中間処理・後処理にも、それぞれ役割があります。
「トリートメントをたくさん付けているんですね。」
そう言われることがあります。
もちろん髪を保護する意味もあります。
でも、それだけではありません。
私が処理剤を使う理由は、
髪の手触りを良くするためだけではなく、
施術全体を安定させるためです。
薬剤が均一になじみやすい状態をつくる。
乾燥しやすい部分を整える。
反応のムラを少なくする。
施術後も髪が扱いやすい状態へ導く。
こうした一つひとつの工程が積み重なって、自然な仕上がりにつながります。
だから処理剤は、
「髪に栄養を入れるもの」
というより、
髪が無理なく反応できる環境を整えるための準備だと考えています。
真っすぐより、「自然で扱いやすい髪」を目指したい。
昔の縮毛矯正は、
できるだけ真っすぐにすることが評価される時代でした。
でも今は違います。
自然な丸み。
柔らかい手触り。
乾かしただけでまとまること。
朝のお手入れが楽になること。
大人世代が求めているのは、
ただ真っすぐな髪ではなく、
自然で美しく見える髪だと私は感じています。
そのためには、
髪が本来持っている柔らかさや動きをできるだけ残すことが大切です。
一人ひとり違うから、毎回同じ施術はしません。
前回きれいに仕上がったから、
今回も同じ薬。
同じ時間。
同じ方法。
私は、そのような施術はほとんど行いません。
髪は毎日変化しています。
季節によっても変わります。
カラーをしたかどうかでも変わります。
生活習慣でも変わります。
だから私は、
毎回髪を見て、
毎回設計を考えます。
その日に必要な反応だけを選び、
その日に必要な工程だけを組み立てる。
それが、一人ひとりに合わせたオーダーメイドの縮毛矯正だと考えています。
縮毛矯正は「設計する技術」です。
縮毛矯正は、
薬剤を塗るだけの技術ではありません。
髪の状態を見極め、
反応する環境を整え、
必要最低限の反応で形を変え、
最後まで髪の体力をできるだけ残す。
そのために、
薬剤だけではなく、
施術全体を設計する。
私は、縮毛矯正とはそんな技術だと考えています。
だから私が目指しているのは、
「強い薬でクセを伸ばすこと」ではありません。
髪への負担をできるだけ抑えながら、自然で美しい髪を長く育てていくこと。
そのための設計こそが、私が大切にしている縮毛矯正です。
縮毛矯正は「クセをなくす技術」ではなく、毎日の暮らしを変える技術です。
縮毛矯正というと、
「髪を真っすぐにするもの。」
そう思われることがほとんどです。
もちろん、それは間違いではありません。
でも私にとって縮毛矯正は、もっと違う意味を持っています。
本当に変わるのは、髪ではなく毎日です。
朝起きて鏡を見る。
湿気が多い日は髪が広がる。
アイロンをしても夕方には戻ってしまう。
雨の日は一日中気分が上がらない。
そんな毎日の積み重ねは、想像以上に大きなストレスになります。
だから縮毛矯正が変えるのは、
クセだけではありません。
朝の時間。
お手入れの手間。
鏡を見る気持ち。
外出するときの安心感。
毎日の小さなストレスを減らすことで、暮らしそのものが少し楽になります。
私は、その変化こそ縮毛矯正の本当の価値だと思っています。
「伸びた」だけでは、良い縮毛矯正とは言えません。
施術直後だけを見れば、
ほとんどの縮毛矯正はクセが伸びます。
でも、本当に見るべきなのはその後です。
乾かしただけでまとまるか。
数週間後も扱いやすいか。
毛先が硬くなっていないか。
カラーをした時に負担が増えていないか。
私は、こうした時間の経過まで含めて仕上がりだと考えています。
髪には「余白」が必要です。
枝は硬すぎると折れてしまいます。
逆に柔らかすぎても形を支えられません。
髪も同じです。
必要なのは、
硬さでも柔らかさでもなく、
自然に動ける余白です。
縮毛矯正も、
真っすぐに固定することだけを目指すと、
髪は少しずつ動きを失っていきます。
だから私は、
髪が持っている柔らかさやしなやかさを、できるだけ残すことを大切にしています。
自然な丸み。
自然なツヤ。
風が吹けば動く髪。
それが、大人の髪には似合うと考えています。
技術は、お客様には見えません。
お客様が見るのは、
薬剤の種類ではありません。
見えるのは、
手触り。
ツヤ。
乾かしやすさ。
鏡に映る自分の姿です。
だから私は、
その方が毎日気持ちよく過ごせる結果をつくるために技術を学び続けています。
見えない部分にどれだけ時間をかけるか。
そこが、美容師の仕事だと思っています。
「この人なら任せられる。」
私は、そんな存在でありたいと思っています。
縮毛矯正は、
一度だけのお付き合いではありません。
季節が変われば髪も変わります。
年齢を重ねれば髪質も変わります。
生活が変われば、お悩みも変わります。
だからこそ、
毎回同じ答えではなく、
その時の髪に合わせて、一緒に考えていける美容師でありたい。
「この人なら相談できる。」
「この人なら安心して任せられる。」
そんな信頼関係を積み重ねていくことが、私にとって一番大切なことです。
最後に
縮毛矯正は、
髪をただ真っすぐにする技術ではありません。
朝の時間が増えた
日中髪を気にする必要がなくなった
夜までサラサラで艶がある
その方が毎日を気持ちよく過ごし、
年齢を重ねても自分の髪を好きでいられるようにするための技術です。
私は、髪と向き合い、
その先にある暮らしと向き合っています。
次にお会いするときも、
「やって良かった。」
そう思っていただけることが私が目指している縮毛矯正です。